岡本行夫公式サイト

2020年3月22日

コロナ感染拡大の米で株価下落

(2020年3月22日TBSテレビ「サンデーモーニング」より)

 リーマンショックの時に我々はとんでもない打撃を受けましたが、今回はもっと深刻です。リーマンショックは金融システムの崩壊でしたが、今回は全部のセクターがやられています。

 昨日、ニューヨークに住んでる弟と電話で話しましたが、今のニューヨークは戒厳令が引かれている状況のようです。レストラン、劇場、中小企業、ホテル、航空産業。特に、ヒトの雇用の多い中小企業、サービス産業がやられているのは非常に心配です。
 
 米のダウの株価の推移を見てみますと、2002年にいったん底を打ち、そこから上昇を続けていたのがリーマンショックでどんと落ちました。ただ、リーマン後、順調に回復していきます。私、自分で計算してみましたが、2002年から2007年の上昇は、平均1日当たり3.5ドルくらい株価が上昇していました。リーマンショック後からトランプ就任頃までは、平均1日4.5ドルの上昇です。 

 トランプ大統領就任後からは勢いがぐんとあがり、平均1日8.7ドルのすごい上昇です。これはトランプ大統領の麻薬みたいな政策、大減税政策、FRBを押さえつけて行わせた低金利政策があったからでしょう。それが、今回のコロナ感染拡大で一直線に落ちました。就任後から上昇を続けていた部分が一気に吹き飛んだことになります。

 ここからどうやって回復していくか。今後のV字回復を言う人もいますが、この吹き飛んだ部分がバブルの部分だとすれば、無理をしたために、調整が入ったのかもしれません。本来の適温経済と呼ばれる成長の経路であれば、上昇はなだらかな曲線になり、今年2月12日の史上最高値に達するのは、2022年の暮れ頃になっていたでしょう。

 トランプ大統領は、現在、2兆ドルの経済刺激政策を行おうとしています。220兆円、とんでもない金額です。アメリカという国は常に戦争をしていますから、一瞬にして危機管理体制に変わります。トランプ大統領は、つい先日までコロナウイルスを馬鹿にしている顔をしていましたが、今は全く表情が変わってきています。どこかで株価が反転していくことは間違いないでしょう。V字回復を遂げるか、緩やかな回復になるのか。どこからスタートするか、そこはまだ分かりません。

 いずれにしても、素晴らしい日が返ってくることを祈りましょう。